大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和40(オ)132 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人田島政吉の上告理由について。

第三者の権利を自己の権利であるとして処分した者がある場合に、右第三者がこ

れを追認したときは、右処分は、民法一一六条の類推適用により、処分の時に遡つ

て第三者についてその効力を生ずると解すべきであることは、当裁判所の判例とす

るところである(昭和三四年(オ)第五〇四号、同三七年八月一〇日第二小法廷判

決、民集一六巻八号一七〇〇頁参照)。原判決が確定した事実によると、本件不動

産について権限のない訴外Dが自己の名においてこれを被上告人を代理する訴外E

に売り渡したものであり、その後上告人が右売買を追認したというのであるから、

売買の効果は、遡つて上告人と被上告人との間に生ずるに至つたものとした所論原

判示は正当である。また、右のように、本件売買契約の買主として本件不動産の所

有権を取得した者は被上告人であるから、Eが買い受けてこれを被上告人に贈与し

たものであることを前提とする論旨は、その前提においてすでに失当である。その

他の論旨も、原判示にそわない事実を主張して原審の専権に属する事実認定を非難

するにすぎない。論旨は、いずれも、採用するを得ない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

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裁判官 岩 田 誠

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